
耳への装着感を高めるカスタムIEMシェイプ形状を取り入れたフルワイヤレスイヤホン「TaoTronics DUO FREE PRO」が発売になったということで、さっそく試してみたのでレビューをお届けします。
TaoTronicsの人気完全ワイヤレスイヤホン「DUO FREE+」の後継機種という位置付けの本製品。ミュージシャンがステージ上で使用するカスタムIEM(Custom In Ear Monitor(カスタム・イン・イヤー・モニター)に着想を得て作られた流線型のフォルムにより、耳穴へ抜群の装着感を実現しつつ遮音性の高さが秀でています。
価格は1万円を大きく下回る7,980円(税込)ながら、対応コーデックには高音質AAC・aptXに対応。5.5mm口径のドライバーを積んでいます。
チップセットにはクアルコムのQCC3020、Bluetoothのバージョンは5.0に対応、さらに一部スマホで使えるTWS+技術を採用し、音飛びが発生することを抑えてくれます。
ハンズフリー通話時にはCVC8.0ノイズキャンセリング機能によって、周囲の環境音を低減させて通話相手にクリアな音声を届けてくれます。最近だとリモートワークでのオンライン会議の際にパソコンにBluetooth接続して通話用イヤホンとして活躍しますよ。
その他にもイヤホン装着のまま環境音が聞こえやすくなる外音取り込み機能だったり、IPX4相当の耐水性能、そしてイヤホンを外すだけで音楽が自動でストップする着脱検知機能など使い勝手の良いフルワイヤレスイヤホンでした。
実際に使ってみて良かった点やいまいちだった点を含めてレビューしていきます。
製品仕様はこちら。
- 製品名:TaoTronics DUO FREE PRO
- 型番:TT-BH051
- JAN:4589616082885
- ブランド:TaoTronics(タオトロニクス)
- 販売元:株式会社SUNVALLEY JAPAN(東京都中央区)
- 種別:フルワイヤレスイヤホン
- イヤーピース形状:カナル型
- 重量:約5.35g(片耳)
- 操作:タッチセンサー
- 搭載USBポート:USB-Cポート
- バッテリー容量:50mAh(片耳)
- 再生時間:最大7時間(イヤホンのみ)、最大27時間(ケース併用)
- ワイヤレス充電:対応(ケースのみ)
- TWS+:対応
- Bluetooth規格:Bluetooth 5.0
- コーデック:SBC、AAC、aptX
- チップセット:Qualcomm社QCC3020
- ドライバー口径:5.5mm
- ノイズキャンセリング機能:非対応
- 外音取り込み機能:対応
- 通話用ノイズキャンセリング機能:対応(cVc 8.0)
- 防水規格:IPX4
- 着脱検知機能:対応
- 同梱物:「TaoTronics DUO FREE PRO」本体、USB-A to Cケーブル、イヤーピース(4セット)、ユーザガイド、取扱説明書

耳への収まりが良い流線型。疲れにくいフィット感が心地よい


ケースは小さめで手の中サイズ。ポケットにもすっぽり入ります。持ち歩きやすいのがうれしいですね。

イヤホンはカナル型。イヤーピースは全部で4サイズ付いています。


ハウジングからイヤーピースにかけて耳当たりの優しい流線形になっています。装着するときには一度耳に入れてからクイッと後ろにひねってはめます。
カスタムIEMをイメージして作られているだけあって、耳穴への収まりが良いですね。高いフィット感を感じることができました。
イヤーピース自体の傘が浅くて耳への負担が少ない印象を受けました。
ただその一方で、うちのチームの女性スタッフに付けてもらったんですけど、フィットせずに耳から外れやすかったです。どうやら耳穴が小さな人には向いていないようです。

イヤホン操作にはタッチセンサーが採用されています。触れたときのレスポンスが良く、すぐ反応してくれて操作しやすかったですね。
イヤホン側での操作方法は、左右どちらかのイヤホンをダブルタップして音楽の再生・停止、左のイヤホンをワンタップして音量ダウン、右のイヤホンをワンタップして音量アップ、左のイヤホンをトリプルタップして曲戻し、右のイヤホンをトリプルタップして曲送りが可能。
スマホへの着信時に左右どちらのイヤホンをワンタップして通話に出る、通話中に左右どちらかのイヤホンを2秒長押しで電話を切る、着信中に左右どちらかのイヤホンを2秒長押しで応答拒否することができます。
音声アシスタント、iPhoneならSiriを呼び出す場合には、右のイヤホンを2秒長押しで起動させることができます。また、左のイヤホンを2秒長押しで外音取り込み機能のON・OFFを切り替えられます。
使っていて便利だったのが、耳からイヤホンを外したことを自動で感知して音楽を一時停止してくれる着脱検知機能が搭載されていることです。
コンビニや飲食店で店員さんと会話するときだったり・執務スペースでスタッフと会話するときにちょっと相手の声が聞こえにくいな~ってときにイヤホンをとっさに外しますよね。
その際にボタンを押して音楽を停止してからイヤホンを外す・・なんてまごまごしてると焦っちゃいますよね。しかも、とっさに外したもんだから、イヤホンから漏れ聞こえる曲がちょっと恥ずかしい・・みたいな経験がある人も少なくないはず。
そういった意味でもイヤホンを外しても音楽が漏れ聞こえることなく、しっかり止まってくれて安心ですよ。
外したときだけじゃなくて、再度付けたときに勝手に再生が開始するので、音楽再生のためにわざわざボタン操作する必要がなくて便利でしたね。

イヤホンは、IPX4に相当する防水性能があります。突然雨に降られても、ランニングで汗をかいても問題なく使えます。外出中に使う際に安心ですよ。
ただ、湿気が多く浸水のリスクがあるお風呂で使うにはおすすめしません。イヤホン内部に水が侵入する可能性があるので注意しましょう。また、ケースの方が耐水性能がありませんので濡らさないようにしてくださいね。
安定した接続、十分なバッテリー持ち

Bluetoothイヤホンを使う上で外せない資質といえば接続の安定性です。特に左右のイヤホンがコードレスでそれぞれ独立しているフルワイヤレスイヤホンの場合ならなおさら周囲の電波環境に影響を受けてしまいます。
結論、「TaoTronics DUO FREE PRO」はかなり安定した通信を体感できました。

Bluetooth規格には新しいバージョン5.0に対応して、チップセットは高性能なクアルコム社のQCC3020、さらに『TWS+』という技術が採用されていることで、一部Androidスマホでは左右どちらにも音楽データを送信できます。さまざまな技術によって無線接続を安定にして音途切れを防いでくれます。
良く通ることが多い新宿駅の構内やホームなど人が集まって電波が飛び交う環境下でも音が途切れずストレスフリーで音楽視聴や動画視聴ができました。

再生時間はイヤホン単体利用で最大7時間あります。通勤通学だったりオンラインMTGや運動用としては十分なバッテリー持ちだと思います。
最近の僕の場合、リモートワーク中に作業用BGMを流しながら1日中使うことがあるので、ちょっぴり物足りないかもしれないなぁーとは感じました。作業に集中すると、気づけばもう夜!みたいなことがあるので。笑
ケースに入れてイヤホン充電をした場合、連続ではありませんが合計27時間の音楽再生が可能。通勤通学だけで使うよって人なら1週間くらい余裕で持つ十分過ぎるバッテリー持ちだと言えますね。
充電ケースはワイヤレス充電に対応しています。iPhoneやAndroidスマホの充電にワイヤレス充電器を使っている人なら上に置くだけでケーブルレス充電ができて便利です。
作業用のサブ機にちょうど良い軽快な音質

音質についてレビューしていきます。対応コーデックはSBC・AAC・aptX、そして5.5mm口径のドライバーが内蔵されています。
接続端末はAACコーデックの恩恵を受けられるiPhone 12 Proを使用して、AppleMusic内の音楽コンテンツを再生しました。

メーカー公称によると、Hi-Fiダイナミックサウンドにより豊かで重厚な音楽体験ができるチューニングに仕立ててあるとのこと。

さっそく視聴してみました。
タオトロの完全ワイヤレスイヤホンといえば、分厚い低音が際立つドンシャリのイメージが強いんですが・・
この「TaoTronics DUO FREE PRO」はタオトロっぽくない軽快な音質でしたね。正直、かなり好き嫌いが分かれそう。
低音をブーストした今どきのチューニングを期待しているならおすすめしないかな。クラブで流れるエレクトロなウェイ系の音楽を飛び跳ねながらノリノリで楽しみたいなら間違いなく物足りないでしょう。
そうじゃなくて、パワフルな音圧が苦手でズッシリとした低音が疲れちゃう人に使って欲しいかな。どちらかと言えば、ボーカルの歌声がスーッと鼓膜に運ばれてくる感じ。今どきイヤホンにありがちな「低音が強すぎてボーカルが飲み込まれちゃう。」ってことがないとも言い換えられます。
音に過剰な着色がされていなくて、スッキリした音色です。ボーカルラインの聴こえやすさは好感も持てるんじゃないかなと思いますね。重たい低音が苦手な人に相性の良い音質。7千円台の価格を考慮すれば、まぁこんなものだよねって感じです。
あと、僕が使っていて感じたのは、音が軽くてラフに使えるので長時間の作業用イヤホンに向いているかもということ。低音の主張が強いイヤホンだと3~4時間くらい音楽を流しっぱなしにしていたら脳が疲れてくるんですけど、「TaoTronics DUO FREE PRO」はそれがなかったですね。
楽曲を聴き込むなら別ですが、とりあえず音楽を流しておいてPC作業に集中したい人に良いかもしれませんね。本命イヤホンではなくて、作業用のサブ機として検討するのも選択肢としてアリですよ。

7千円台のフルワイヤレスイヤホンながら、外音取り込み機能に対応。イヤホンをつけたままでも周囲の音を耳へ届けることができます。
イヤホンで耳を塞いでランニングをしている最中、近づく車の走行音や自転車の気配を感じ取りにくいことがあって危険ですよね。そこで外音取り込み機能を起動すれば、屋外で走る場合に交通事情を耳で把握しながら走れるので安心ですよ。

ちなみに、装着して軽く走ってみたところ、僕の耳ではランニング中の上下振動によって耳からイヤホンが外れることはなくぴったりフィットしてくれました。耐水性能もあるので汗をかいても使えるので運動用途に使いたい人にもおすすめですね。
ビデオ会議に役立つ。はっきり音声を届ける通話品質

内蔵されたマイクによりハンズフリー通話に対応しています。今のフルワイヤレスイヤホンだったらだいたい通話ができますが、「TaoTronics DUO FREE PRO」は通話機能に加えて、通話用CVC8.0ノイズキャンセリング機能にも対応しています。
簡単に言うと、周囲がうるさくてもクリアな音声を通話相手に届けられて快適に電話できるよって機能です。
実際僕がiPhoneを使って普通の電話やLine電話をしてみたり、パソコンに繋いでオンライン会議で試してみました。結果、なんら支障なくコミュニケーションをとることができました。
電話に関しては外出中にかかってきた際、人でガヤガヤしたうるさい駅前かつ、僕がマスクをしていたので、こもったように聞こえるかな~と思ったんですが、通話相手にはくっきり僕の音声が聞こえていたようです。
今のご時世、マスクをしているのがスタンダードになっているので、口が開きにくくてはっきり喋ることって難しくなりますよね。だからこそ、声だけを的確に拾ってくれる通話品質の高さはイヤホン選びの大切な要素だと思いますね。
動画レビューはこちら
ライターから一言
「TaoTronics DUO FREE PRO」は音質にこそ好みが分かれそうですが、心地よい装着感と使い勝手の良さが光るイヤホンでしたね。
今回紹介した商品はこちら
2023.03.09 17:35 更新