
インナーイヤー型としては世界初となるハイレゾ音源LDACに対応するイヤホン「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」をレビューします。
抜群の軽快さを体感する付け心地の良さは、まさにストレスフリー。長時間装着していてもまったく苦にならない軽量なインナーイヤーが気に入りました。
僕はiPhoneなのでLDACは使えずAACコーデックでの再生になりますが、音質の良さは抜けているなって感じます。
カナル型に比べると遮音性は低く、低音の効きに物足りなさはあります。しかし、インナーイヤー界隈の中では解像度の高さや低音圧、さらに音場の広さがあってかなりレベル高いと思いますね。
カナル型の密着感や閉塞感が苦手な人は、着用感の良さと音質を考えると「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」は選択肢に入れてほしい逸品です。
製品仕様はこちら。
- 製品名:SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS
- JAN:6941213608765
- ブランド:SOUNDPEATS(サウンドピーツ)
- 販売元:株式会社ヒアアンドシー(神奈川県横浜市西区)
- イヤーピースタイプ:インナーイヤー型
- 重さ:片耳約4.06g、ケース込み約36.3g
- イヤホン寸法:34mm×17.8mm×17.3mm
- ケースサイズ:60mm×22.5mm×48mm
- チップセット:WQ7033M
- オーディオコーデック:SBC、AAC、LDAC
- Bluetooth規格:バージョン5.2
- ドライバー口径:14.2mm
- バッテリー容量:イヤホン片耳30mAh、ケース300mAh
- 再生時間:イヤホン単体最長5時間、ケース併用最長20時間
- 充電ポート:USB-Cポート
- ワイヤレス充電:非対応
- 通話用ノイズキャンセリング:デュアルマイクENC
- イヤホン操作:タッチセンサー
- 防水等級:IPX4
- 自動着脱検知:対応
- ゲームモード:対応(最小60ms超低遅延)
- 同梱物:「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」本体、USB-Cケーブル、説明書
小型でポッケにすっぽり入るケース

外観をみると、ケースは光沢感のある小型ケース。
艶っぽい質感にゴールドのロゴが高級感を感じさせます。ただ、テカテカしているので指紋が目立ちやすいのがネック。

反対にイヤホン本体はマットテイストになっていて、かっこいいデザインです。

僕が普段から良く使っている「SOUNDPEATS Air3 Pro(写真右)」もそうなんですけど、小型かつ薄型なので持ち出しに便利。

細身なズボンの前ポケットにもすっぽり収まるので、手ぶらでお出かけしやすいです。

イヤホンを収納した状態でのケース全体の重さは約36gちょっと。めちゃめちゃ軽いですね。

電池持ちに関しては、イヤホンのみで最大5時間、ケース込みで最大20時間だそう。
もう少しバッテリー持ちが良ければいいなって正直思いましたが、小型なので積載できるバッテリーにも限界があり、大きさと電池持ちはトレードオフなので仕方ないでしょう。

充電はUSB-Cから行い、2時間もあればフル充電できました。置くだけのワイヤレス充電には対応していませんので、そこが・・残念。価格が安いので、コスト的に考えるとやむを得ないのでしょう。

イヤホンの防水性能はIPX4ということで、普段の生活シーンであれば雨にも汗にもある程度強さを発揮してくれます。

スマホとの接続にはBluetooth 5.2規格が採用されています。都内の駅周辺、街中やカフェなどしばらく使っていて、接続強度に不満を覚えることはありませんでした。
音飛びも抑えられている安定したBluetooth接続で快適に使えます。
装着感、ノンストレス。インナーイヤーの軽さに驚いた

片耳の重さは約4gの軽量モデル。さらに、開放的で耳を圧迫しないインナーイヤー型を採用しているということで、付けた瞬間「軽っ!」と思わず声が漏れてしまいました。

耳の穴と周囲の耳介にちょうどよく引っかかるように装着します。収まりが良くて、耳穴を必要以上に塞(ふさ)ぐことがありません。
耳栓型で耳穴を完璧に塞(ふさ)いでしまうカナルタイプとは、まったく異なる装着感ですね。
耳と密着する接触面積が小さいので、カナルタイプのように窮屈な感じや水の中に潜っているような閉塞感もなし。
充電が切れるまで永遠に使えるレベルで耳の負担が少ないインナーイヤー型に設計されていました。

走ったり、頭を振っても耳から外れることもないし、よほど力まない限りは位置がズレることもありませんね。
開放的なので、周囲の音も比較的入ってきます。防水性能もあるので、屋外でのランニングを交通事情に配慮しながら楽しめますよ。

操作はタッチセンサー式。感度がむちゃくちゃ良いので、反応せずにイライラ何度もタッチする不快さはありません。
ただその半面、感度が良すぎてイヤホンの装着位置を直そうとすると少し指が触れただけでも反応してしまいます。
ワンタップで音量のアップダウンになるんですけど、意図しない音量調整が行われてしまって戸惑いました。(苦笑)
装着位置を直す場合は、ステムの先っぽをつまむようにすれば誤操作しませんので参考に。
イヤホン側で操作できることは、以下の通り。
右のイヤホンをワンタップで音量UP、左のイヤホンをワンタップで音量DOWN。
左右どちらかをダブルタップで音楽の一時停止・再生。
右のイヤホンを長押しで曲送り、左のイヤホンを長押しで曲戻し。
左のイヤホンをトリプルタップでゲームモードのON・OFF、右のイヤホンをトリプルタップで音声アシスタントの起動。
一通りの操作はスマホを手にせず、イヤホンだけで完結しますね。

着脱検知機能が付いているので、イヤホンを外すだけで音楽や動画の再生がストップします。いちいちイヤホンもしくはスマホから停止する必要がなくて便利です。
14mm超える大型ドライバーから発する高音質

対応するコーデックはSBC・AAC・LDACの3種類。

インナーイヤー型イヤホンとして世界初のハイレゾ音源を再生するLDACに対応しているので、対応スマホやオーディオプレイヤーを使用している人には大きなメリットになるでしょう。
僕の場合は普段からiPhoneなので、残念ながらLDACではなくAACコーデックでの音楽データ伝送となります。


ドライバーは小型の見かけによらず14.2mm口径の大型を内蔵しています。実際聴いてみると、大きなドライバーから開放型のインナーイヤーとは思えない迫力ある芯の太い音を発していました。
よくありがちなインナーイヤー型だから迫力が物足りないとか、量感が少なくて安っぽい音質に聴こえちゃうってことはないですね。
むしろ、インナーイヤーでこれだけ音の圧力が出せて、低域の深みもまずまず感じられるので優秀だと思います。レベル高いな~って。

中域のボーカルの音も解像度高くスッと伸びるので、聴いていて心地良いです。
密閉していない開放だからこそのナチュラルな音のチューニング仕上がっていて、高音域のシャリつきや刺さりもなくバランスがとれています。
同音質帯のカナル型にはキック感や圧力には負けてしまいますのEDMとかヒップホップよりも、ポップスやロックなどに向いている印象を受けました。
7千円のインナーイヤーでこの音質はズルいくらい満足です。

アプリからイコライザーをいじれたり、プリセットからジャンルを選ぶことも可能です。好みの音色にアレンジしてみるのも良いでしょう。

耳とイヤホン筐体に隙間が生じるインナーイヤーなので、音漏れは少し気になったのと、地下鉄の走行中に騒音で音楽が邪魔されるのがデメリットでした。
地下鉄ユーザにはおすすめしないかな。反対に移動中ではなく、室内メインで使う在宅勤務などにはかなり推したいですね。

ゲームモードといって、最小60msの超低遅延で動画やゲームができる機能にも対応しています。
音質を犠牲にしてしまいますが、遅延が気になる場合には活用できますね。ただし、音ゲーのように正確な作業が必要なシビアゲームには留意が必要かな。
まったく遅延しない訳ではないのでご承知おきを。
周りの音をカットして声のみ通話相手に伝えられる

通話の際にイヤホン着用者の周囲からマイクに入り込む雑音をカットしてくれるデュアルマイクENCに対応しています。
ガヤガヤした街中での電話や周囲がバタバタしているオフィス内でも環境音をカットしてくれる消音性能はお見事。
音声自体の品質はそこまで高い感じはしませんでしたが、周辺ノイズを抑えてくれるおかげで声のみクリアに伝えられます。
オンライン会議用のイヤホンとしても優秀なマイク性能も気に入りましたね。
動画レビューはこちら
ライターから一言
インナーイヤーではトップレベルにコスパの高いモデルだと言えます。付け心地が良く、音質の良いイヤホンでおすすめできる完全ワイヤレスイヤホンがまた一つ増えました。
2023.03.09 16:12 更新