高コスパなアクテイブノイズキャンセリング機能が付いたワイヤレスヘッドホンSoundcore Life Q30の後継機「Anker Soundcore Life Q35」が発売されたということでレビューしていきます。
前作Q30から高性能ノイキャン・外音取り込み機能・迫力の高音質・マルチポイント接続はそのままに、コーデックがLDACに対応。さらに、装着検知機能・睡眠モードなどが新たに加わりグレードアップしています。
てんこ盛りの機能、ハイレベルな品質にもかかわらずお値段11,990円(税込)とは、やっぱりコスパぶっ壊れてます、まじで。
普段の音楽視聴・テレワークでの通話・集中したいときのノイキャン、シーンによって優れた能力を発揮してくれるワイヤレスヘッドホン「Anker Soundcore Life Q35」をじっくりみていきましょう。
製品仕様はこちら。
- 製品名:Anker Soundcore Life Q35
- 型番:A3027031、A3027051
- JANコード:4571411195327、4571411196096、4571411197543
- カラー:ネイビー、ピンク、ブラック
- ブランド:Soundcore(サウンドコア)
- メーカー:アンカー・ジャパン株式会社(東京都中央区)
- 種別:Bluetoothヘッドホン
- ヘッドホン形状:オーバーイヤー
- 重量(約):270g
- ドライバー:40mmダイナミック型
- Bluetooth規格:Bluetooth 5.0
- プロファイル:AVRCP、A2DP、HFP、HSP
- コーデック:SBC、AAC、LDAC
- 再生時間:LDAC使用&ノイズキャンセリングモード使用→最大38時間、ノイズキャンセリングモード使用→最大40時間、通常再生時→最大60時間
- 本体充電時間(約):2時間
- USBポート:USB-C
- ノイズキャンセリング機能:対応
- 外音取り込み機能:対応
- マルチポイント接続:対応
- NFCペアリング:対応
- ハンズフリー通話:対応
- Soundcoreアプリ:対応
- 装着検知機能:対応
- メーカー保証:18ヶ月
- 同梱物:「Anker Soundcore Life Q35」本体、USB-C to USB-Aケーブル、3.5mm AUXケーブル、航空機用プラグアダプター(※航空機内のオーディオ設備によっては接続できない場合があり)、ハードトラベルケース、クイックスタートガイド、安全マニュアル ※iPhone等のiOS端末はLDAC非対応です。 ※マルチポイント接続状態でLDACは使用できません。 ※AUXケーブルに接続している状態ではヘッドホン本体マイクとボタン操作は使用不可です。AUXケーブルのリモコンを使用する必要があります。
外観や同梱物をチェック
まず同梱物をチェックしていきます。
ヘッドホン本体の他には、持ち運び用のハードトラベルケース、そして本体を充電するためのUSB-C to USB-Aケーブル、さらに有線で使えるよう3.5mmのAUXケーブル、飛行機で役立つ航空機用プラグアダプター、あとは説明書がついています。
ケースは以前のファブリックテイストから変わり、スエードっぽい感じになっています。
カラーはネイビーの他、ピンクの2色展開。ヘッドホンといえばブラックカラーが多い印象ですが、オシャレなネイビーとピンクってのが新鮮ですね。
ツヤ消しされて、光沢感が抑えられています。上品な外観をしていて、1万円のノイキャンヘッドホンとは思えない高級感を醸し出しています。
ネイビーとピンクがQ35で、ブラックがQ30です。
前作Q30のブラックと比べると、品が増してより一層高見えする印象を受けます。
メーカー交渉で前作(写真右のブラック)が約260gだったところ、今作(写真左のネイビー)ではわずかに重くなり約270gだそう。持った感じではほとんど一緒なので重くなったなぁ~なんてことはないですね。
むしろ、現時点で前作のようなブラックがなく、ネイビーとピンクのカラバリなので視覚的には軽快で軽そうな印象を受けますね。
ノイキャンONで最長40時間のバッテリー持ち!
再生時間の目安としては、ノイキャンを起動した状態で最長40時間もバッテリーが持ちます。1日半くらい余裕で持つので、出張や旅行など長距離移動の際に心強いですね。
後ほど後述しますが、LDACを使用しつつノイキャンを起動した場合であっても最長38時間の音楽再生が可能。
また、LDACやノイキャンを使わない状態の通常モードなら、なんと最長60時間、実に2日半も電池が持つ計算に。
ちなみに前作「Soundcore Life Q30」でもノイキャンONで最長40時間、通常モードで最長60時間バッテリーが持つスペックだったので、そこは変わりないようです。
ヘッドホン本体を充電する際には、USB-Cポートを利用します。満充電までおおよそ2時間で完了します。
長時間付けていても疲れにくいフィット感。さらに、装着検知機能が便利!
PUレザーの質感は柔らか過ぎず硬すぎない、丁度よい感じ。耳に負荷がかからないオーバーイヤー型なんで、耳の周囲を取り囲むように覆ってくれます。
写真左のネイビーがQ35、写真右がQ30です。
前作よりもレザーに多少ハリがある感じがします。実際装着して3~4時間くらい付けっぱなしにしていても耳が痛くならないし、装着感はとても良いです。
ただ、夏は家の中にいて装着していても多少蒸れるかなという印象。特に屋外で使用する場合には熱がこもるので汗だくになりますので、あまりおすすめしません。逆に冬には暖かくて耳あて代わりに良いかもしれませんね。
そして意外に見逃せないのが、装着検知機能が付いている点。
ヘッドホンを外すと自動で察知して音楽が一時停止になります。自宅なら家族、オフィスなら同僚などに咄嗟に呼ばれたときなんかには、ヘッドホンを外すだけでストップしてくれます。
再度装着し直すと再生が開始します。いちいちスマホやヘッドホン側で操作する手間が省けて便利でしたね。
しかも音楽再生時だけではなく、YouTubeアプリ上で動画を観ているときにも同じようにヘッドホンを外せば自動停止して、装着すれば再生が再開しました。
今後仕様が変わるかもしれませんが、個人的にはうれしい仕様でしたね。
快適な無線接続の安定性。マルチポイントがめっちゃ便利!
スマホやパソコンなどのデバイスとBluetoothでワイヤレス接続します。Bluetooth 5.0に対応していて、音がブツブツ途切れにくい安定した接続を体感できました。
個人的にめっちゃ便利なのが、マルチポイント機能に対応していること。
2台のBluetooth機器に同時にペアリングしてくれて、しかも切り替えがめっちゃスムーズ。
例えば、iPhoneとパソコンを同時にヘッドホンへBluetooth接続しておきます。パソコンでYouTubeを流しながら聞き流している最中に、iPhoneへ電話が掛かってきたら、Bluetoothの切り替えをすることなく電話に出てそのままヘッドホンでハンズフリー通話ができちゃうんです。
他にもリモートワークの際に、iPhoneで音楽を聴きながら作業していて、オンライン会議の時間になったらiPhoneの音楽を止めてパソコン上のビデオ会議に入ればそのまま打ち合わせスタート!
一切Bluetoothの接続画面で操作したりすることなく、シームレスな使い方ができちゃうんです。これ慣れるとクッソ便利ですよ。
ただし、当たり前ですが、2台のデバイスから同時に音楽を流したりすることはできませんのでご承知おきを。また、マルチポイント接続中にLDACを使用することもできないそうなので留意しておきましょう。
内蔵マイクの感度はまずまずって感じかな。めっちゃ良いって訳ではありませんが、ビデオ会議や電話・Lineなどヘッドホン装着者の声をしっかりキャッチして鮮明に通話相手へ伝えてるレベルではありますね。
オンライン会議など音声コミュニケーションには支障ない通話品質なので、テレワークをしているビジネスマンにもおすすめでるでしょう。
ノールックで簡単に操作できるボタン
各種ボタンは左右のヘッドホン下部に集約されています。
右耳側には、音楽の再生停止、音量の上げ下げ。左耳側には、アクテイブノイズキャンセリングボタン、電源ボタンが備わっています。
1週間も使っていれば慣れてきて、左右のボタンの位置を覚えてきます。ノールックで無意識に操作できるようになるので、ボタン操作が快適に行えます。
便利だったのが、右耳のヘッドホンを1秒触れると『外音取り込み機能』が起動すること。物理ボタンとは別にこういった機能があると使い勝手が良くて助かります。
シーンと静寂をもたらすウルトラノイズキャンセリング機能!
装着しただけでも結構周りの騒音をカットできる高い遮音性があります。
さらにそこへアクティブノイズキャンセリング機能をONにしたらどうなるのか?実際に試してみることに。
Ankerでは初となるウルトラノイズキャンセリングに対応しています。これは、ヘッドホンの内側と外側に合計5つのマイクが搭載され、周囲の環境音を精度高く察知して打ち消すハイブリッド式アクティブノイズキャンセリング機能だそう。
ちょっと難しい用語がオンパレードですよね、、まぁ簡単に言うと、消音効果バツグンってことです。(ざっくり。笑)
しかも、Anker製ノイキャンイヤホンでもおなじみ、『Soundcoreアプリ』から屋外・屋内・交通機関の3シーンで最適な消音効果をもたらすモード選択が可能。
ウルトラノイズキャンセリング機能とその場に最適なモード切り替えのダブルで消音効果がパワーアップしています。
屋外モードではガヤガヤとした喧騒がなくなり、交通機関モードでは電車内で静寂が手に入り、屋内モードにおいては自宅で家族の話し声がグッと低減します。仕事に集中できるし、走行中の電車内では音量を上げなくても音楽へ没入できるくらい一人の世界に入れます。
そしてQ35では、新たに『睡眠モード』が加わりました。
朝の眠たい通勤電車だったり、飛行機や新幹線・バスや電車など移動中に睡眠をとりたいこともあるでしょう。そんなときにヒーリングサウンドが再生されてリラックスするのに活用できそうですね。
遮音性が高いオーバーイヤーヘッドホンだからこそ、外音取り込み機能にも着目したいところ。いちいちヘッドホンを外さずに周囲の音を集音してヘッドホン内に流してくれる外音取り込み機能はとても便利です。
右耳のパネルを1秒間タッチするだけで、すぐに外音取り込み機能が起動します。性能も良くて、目の前にいる人との会話もスムーズだし、電車のアナウンスもしっかり取り込んでくれました。
ただ、前作のQ30と新作のQ35を比較すると、わずかではありますがQ30のほうが集音性能が高い感じを覚えます。
Q35の性能が悪いって訳ではなくて、しっかり環境音を拾ってくれます。でもどちらかというとQ30の方が優れているし、サーっていうホワイトノイズがQ35では少し大きい気がしますね。
マイク性能なのか、ちょっと残念でしたね~。
音質はいかに?!新作Q35と前作Q30を聴き比べてみた
ドライバーは前作同様に40mm口径のドライバーが搭載されています。そして、対応コーデックには、SBCとAACに加えて新たにLDAC対応となりました。
ソニーが開発したオーディオコーデックLDACは、SBCコーデックと比較して3倍ものデータ量を伝送できることから、原音に忠実な高音質を実装しているそう。
ただ残念なことに、僕のようなiPhoneユーザーにはその恩恵を受けられません。というのも、LDACはiOS端末では非対応なのです。LDAC対応のデバイス、つまり一部のAndroidスマートフォンしか使えないんです。ん~、まぁこればっかりは仕方ないですね。
とは言え、iPhoneに最適なAACコーデックには対応しているってのもあってか普通に音は良いですけどね。
それでは、新作「Soundcore Life Q35(写真左のネイビー)」と前作「Soundcore Life Q30(写真右のブラック)」を比較しながら音質をレビューしていきます。
視聴環境は、両ヘッドホンともにノイキャンを屋内モードにして、iPhone 12 Proを使ってAppleMusic内の音源を聴きました。
低音はQ35の方が強くてパワフルなキック感があります。ブロガーさんやYouTuberさんがQ35のレビューをあげている中ではQ35よりもQ30の方がパワフルだったっていうのをいくつか見ましたが、僕個人としては逆で、Q35で聴いたあとにQ30で聴くと物足りなく感じましたね。
「ズンズン」とか「ブーンブーン」っていうベースやバスの低音域の地響きが一気に鼓膜へぶつかります。Q35が激しく暴れる闘牛なら、Q30は牧場で平和に暮らす牛みたいな。ちょっと極端かもしれませんが、間違いなく強い低音を求める最近の傾向を如実に体現している感がありますね。EDMを聴くならQ35をおすすめします。
中音から高音にかけては若干Q30の方がクリアな印象で、ボーカルの歌声が通るイメージです。とは言っても若干なので、Q35も綺麗に鳴らしてくれて明瞭であることに変わりはありません。
新作も旧作も低音に重きを置いたダイナミックな音色で、いわゆる音の力強さみたいなところに重心をおいた高音質だと言えるでしょう。
音質にこだわるオーディオマニア的なユーザにはソニーとかのハイエンドモデルがもちろんいいと思うんですけど、1万円でここまで音場が広くて没入感あふれる音質が楽しめるなら僕はQ35がいいやって判断も全然ありかなと。
動画レビューはこちら
ライターから一言
完成度の高さは言わずもがなですが、LDACがiPhoneで使えないってのだけが・・残念。でも前作から約2千円アップしただけあってその他の新機能が加わり、十分満足できる逸品でしたね。