音質にこだわった高価格帯のオーディオブランド、Astell&Kern(アステルアンドケルン)。前作のブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「Astell&Kern AK UW100」発売から約一年半、後継機にあたる「Astell&Kern AK UW100MKII」が新発売されました。
近年のTWS(完全ワイヤレスイヤホン)市場では、低価格のイヤホン、ノイズキャンセリングが強いイヤホン、機能性に長けたイヤホン、長時間バッテリーのイヤホンなど、個性豊かな沢山の商品が溢れかえっていますが、「Astell&Kern AK UW100MKII」は全く別物のイヤホンと考えて良いでしょう。
前作同様に妥協のない最高レベルの音質に、コンパクトになった筐体、再生時間が長くなったバッテリーなど、さらにアップデートされていました。
そんな極上な音楽を嗜める、神音質なワイヤレスイヤホンを早速レビューしてまいります!
製品仕様はこちら:
- 商品名: Astell&Kern AK UW100MKII
- UPC/JAN:8809755504311
- ブランド:Astell&Kern(アステルアンドケルン)
- イヤーピース形状:カナル型
- 重量:イヤホン本体約7g、 充電クレードル約65g
- 再生時間:イヤホン単体約9.5時間 (充電クレードル併用時合計約29時間)
- 充電クレードル:USB Type-C(急速充電対応)、 ワイヤレス充電
- 専用スマートフォンアプリ:AK Control(iOS/Android)
- 同梱物:充電クレードル、シリコンイヤーピース(XS/S/M/L/XL)、USB Type-C充電ケーブル
- 生産国:韓国
- メーカー保証:1年
ワイヤレスイヤホンとしてのファーストインプレッション
まずは見た目の部分から。ケースは無駄な余白が少なくなって、前作よりも一回り小さくなっています。
全体的にマットな質感となっており、サラサラしている印象。指紋が目立ちにくく、高級感が感じられます。
イヤホン本体は前作同様、五角形の星のような形に幾何学的なデザインが施されています。ブランド名にある「Astell」はギリシャ語で「星」を意味するそうなので、そのイメージが筐体に表れていますね。
ケースの蓋は重めでしっかりしているんだけどスムーズに開閉できて、パカッと開け閉めする音にもなんというか重厚感がありました。
音楽の再生時間は、前作から約1.5倍も長くなりました。イヤホン単体でも約9.5時間、ケースを合わせるとなんと最大約29時間も。通勤中や仕事の休憩時間に使うのであれば1週間ぐらいは充電しなくても乗り切れそうです。
充電は前作に引き続き、有線のUSB-C充電とワイヤレス充電に対応しています。有線であれば急速充電が可能で、わずか約10分の充電で約1時間の再生が可能になります。お出かけ前の急いでいる時でも安心ですね。
その他マルチポイント対応でデバイスの切り替えをスムーズにできたり、イヤホン本体のタッチパネルも快適に使えます。TWSとしての機能は一通り問題なく使用できました。
大きく感じるけど軽くてフィット感が抜群。
音質にこだわっているゆえに、ドライバーや回路が複雑に折り重なっていて、最初手にしたときには、イヤホン本体は少しごつめだと感じました。近年のコンパクト志向なワイヤレスイヤホンを日常使いしてると特に、ちょっと大きいな?と思っちゃいました。
しかし装着してみると、あら不思議。重さは片耳約7gしかないので、重いと感じることはありませんでした。フィット感も良く耳をしっかり密閉されて、周りの音を自然と遮断してくれる感じもします。
イヤーチップは全5サイズ付属しており、届いたときにはMサイズが本体に装着されています。このイヤーチップも程よい柔らかさ、滑らかさで不快感なくフィットしてくれました。
高価格なのに、今時ノイキャンのないワイヤレスイヤホン?
今やTWSの当たり前の機能とも言えるノイズキャンセリング機能。しかし「Astell&Kern AK UW100MKII」にはノイズキャンセリング機能が搭載されていません。
代わりに物理的に周囲の騒音を遮断できる、パッシブ・ノイズ・アイソレーション(PNI)を搭載しています。これのおかげで、家のすぐ近くで工事をしていても、電車に乗っていても、雑音に邪魔されることなく音楽が楽しめるんです。ノイキャンの不自然な静穏さが苦手という方におすすめしたいですね。
新しい発見がある、音楽鑑賞専用とも言えるイヤホン
最後に楽しみにしていた音質の部分を、いろんなジャンルの音楽を聴きつつレビューしていきます。
まずは普段よく聞いているJ-POPやアニソン、打ち込み系の洋楽なんかをざっくばらんに視聴してみました。ボーカルの声が響きつつ、ギターやベース、ドラムの楽器の音もしっかり聞こえてきて、まるで別々のモニターイヤホンがこのワイヤレスイヤホン一つに集結しているかのようでとにかく音楽を聴いていて楽しいという感想。
何度も繰り返し聞いている曲でも、「あ、ここでボーカルの声にこんなエコーを利かせているんだ」とか「ここの歌声の後ろのギターのリフめちゃかっこいいじゃん」とか、いつも使っているイヤホンでは聞こえなかったような音が聞こえてきて、新しい発見がありました。
低音もしっかり効かせてくれるのに、音に薄い層がまとっているかのように優しく耳に響いて一切疲れを感じさせません。女性ボーカルの甲高い歌声でも耳にやさしく届いてくれる感じがします。
また、筆者がこのイヤホンで聴くのにおすすめしたいジャンルが、JAZZやクラシック等のライブっぽい音源です。
一つ一つの楽器の音が細かく聞こえて、音の強弱までしっかりわかります。今こっちの楽器の音が少し弱くなって、ここからはこの楽器がメインになるんだな、みたいな、まるで目の前で演奏を見ているかのような楽しみ方もできました。
あと印象的だったのが、トランペットの吹き始める前のブレスの音が鮮明に聞こえてきて…。これはもう鳥肌モノでした。息遣いまで贅沢に聴かせてくれるんです。
普段は一つの曲として捉えている曲でも、一つ一つの楽器がこういう風に折り重なって一曲になってるんだっていうのが鮮明にわかるような気がしました。音楽を嗜むって言葉がぴったりのワイヤレスイヤホンです。
ライターから一言
ながら聞きのイヤホンというよりは、音楽に没頭したい時に使いたいような特別感のあるイヤホンだなと感じました。目を瞑ればそこはライブ会場やコンサートホール、手軽に非現実な世界にいざなってくれますよ。