
高品質なオーディオ製品を手掛けるfinalが監修するag(エージー)ブランドから新しい完全ワイヤレスイヤホン「ag TWS08R」が発売されていたので入手しました。
agと言えば、無骨なデザインが多いイヤホンにおいて、一味違うネイチャーデザインがお洒落。今作もイヤホン筐体とケースともに粉雪塗装(こゆきとそう)という独特な表面加工が施されています。まるで川辺にころがるコロッとした石のようにナチュラルな風合いを感じさせる可愛い仕上がりになっています。
価格が7,980円ということで、音質どうかな~って思いましたが、結論から言うとめっちゃ音良かったですね。見かけによらずパワフルで前に押し出す低音がありながらも、角が丸くて聴き疲れしないイメージ。それでいて、端切れのよいハリのある中高音域がスッキリしている印象を受けました。
しかも、耳穴にぴったり収まる抜群の心地よいフィット感がほんとに良くて、遮音性も高く没入感あるサウンドを楽しめます。
1万円以下の予算で音質と装着感を求めるならおすすめしたいですね。
さっそくレビューをお届けしていきましょう。
[目次]

製品仕様はこちら。
- 製品名:ag TWS08R
- 型番:AG-TWS08R(AG-TWS08RBK・AG-TWS08RCR・AG-TWS08RBU)
- JANコード:4571303222070、4571303222063、4571303222056
- カラー:BLUE、CREAM、BLACK
- ブランド:ag(エージー)
- 国内総代理店:株式会社final(神奈川県川崎市)
- 種別:左右独立型ワイヤレスイヤホン(TWS)
- イヤホン形状:カナル型
- Bluetooth規格:Bluetooth 5.0
- チップセット:Qualcomm(R) QCC3020
- 再生周波数帯域:20Hz-20kHz
- 対応コーデック:SBC、AAC、Qualcomm(R) aptX(TM) audio
- 対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HSP、HFP
- バッテリー容量:40mAh(片耳)、300mAh(ケース)
- 再生可能時間:イヤホン単体最大7時間、ケース併用最大28時間
- 通話可能時間:約3.5時間
- 連続待ち受け時間:約70時間
- 充電時間:約2時間
- 防水等級:IPX4
- ボタン操作:タッチセンサー式
- 同梱物:「ag TWS08R」本体、専用充電ケース、イヤーピース final TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様(SS・S・M・Lサイズ)、USB-Cケーブル
山奥深くの渓谷に転がる小石、のような優しいデザイン。


ケースは非常に小型で握ると見えなくなるほど。
イヤホンをケースに入れた状態でたったの約42gほど。シリーズ最小かつ最軽量だけあって、携帯しやすいのメリットがあります。

粉雪塗装(こゆきとそう)と呼ばれるザラッとした表面加工を施されていて、優しく可愛らしいフォルムをしています。

例えるなら、川底が見えるほど透き通った水が流れる山奥の渓谷(けいこく)に転がる小石のよう。大自然にもまれて角がとれた丸みを帯びたフォルムに、表面がザラッとした質感が相まってナチュラルな印象を受けます。
持ったときに温かみのある優しさみたいなものを感じさせてくれます。プラスチックやアルミなどを使ったイヤホンケースは多数ありますが、こんな優しさを感じるのはなく、唯一無二だと言えます。

ケースとイヤホンともに粉雪塗装(こゆきとそう)がされているマットカラーで統一されていて、指紋が付きにくいのもうれしいですね。

カラーバリエーションは、ブラック・ブルー・クリームの3色。どれも発色を抑えたマットテイストで、優しさがにじみ出てますね。
ケースの蓋はマグネットが付いていて、振ったくらいではパカパカ開かないようになっています。

そしてイヤホンの方もマグネットでパチっと収納する設計になっていて、仮に蓋が開いてしまった場合でもイヤホンが飛び出したりしませんので安心して使えます。
IPX4の生活防水に対応。屋外での雨にも耐えられる

イヤホン筐体は防水等級IPX4に対応しています。完全防水という訳ではありませんが、雨に降られても問題なく使えるくらいの耐水性能があります。

注意点としては、イヤホンと同じようなデザインの充電ケースの方も防水性能があるように勘違いしそうになりますが、ケースには防水性能がありません。
USB-Cポートもむき出しの状態なので、充電ケースは水に濡らさないように注意しましょう。
普段使いには十分なバッテリー持ち

イヤホン筐体には40mAh、ケースには300mAhのバッテリーが搭載されています。
音楽の視聴可能時間は、連続して最大7時間。ケースに入れて充電を繰り返すことで、合計で最大28時間の音楽再生ができます。

最近の完全ワイヤレスイヤホンは、どのモデルもバッテリー持ちが良くなっていますよね。例にもれず、この「ag TWS08R」も十分な電池持ちですね。通勤通学で使うなら1週間くらい平気で持つでしょう。
また、ハンズフリー通話の場合は、連続約3.5時間ほど。ケース本体の充電所要時間は、約2時間となっています。
隙間なくぴったりフィットする抜群の付け心地

イヤホンの形状はいわゆるカナル型と言って、耳栓みたいに耳穴をふうじるような形状をしています。

使われているイヤーピースは、完全ワイヤレスイヤホン専用に開発されたイヤーピース「TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様」が採用されています。それが4サイズ付属しています。
装着性能を高めているだけでなく、半透明で耳垢が目立ちにくいようになっています。使う人のことを想っているのも感心。

装着する際には、グイッとひねって耳穴に入れてあげて、隙間ができないベストポジションを見つけてください。
付けた瞬間、「あ、気持ちいい」ってなる抜群の装着感が良いですね。
ハウジングからイヤーピース先端へのストロークが多少長めだからか、装着したときに耳穴にしっかりハマってくれます。かと言って圧迫感はなくて、ガッチリ過ぎず緩すぎないちょど良い感じ。

イヤホンの独特な曲線によってイヤホンと耳の触れる部分が優しく接触してくれます。作業中に3時間ほど付けてみましたが、耳が痛くなることはありませんでした。
隙間なくピタッと耳に装着するので遮音性能も高めです。街なかでの雑音くらいなら環境音をだいぶ抑えて音楽視聴できます。
ただ、地下鉄は要注意。最近だと電車内で窓を開けて走っていることが多いですよね、換気のために。窓を少し開けて走っている地下鉄車内のけたたましい騒音には思いっきり邪魔されてしまいます。なので、通勤などで頻繁に地下鉄利用をしている人は留意しておくと良いでしょう。
安定したBluetooth接続により、ほぼ音飛びしなかった。

スマホとの無線接続には、Bluetooth5.0に対応しています。新しいBluetooth規格が使われていて、僕が使っていて音が飛んだり、音が途切れることはほとんどありませんでした。
屋内・屋外問わずにストレスなく使えました。でも、よくよく考えると、今って密を避けて行動しているのて、人が集まる場所や時間帯を避けているからかもしれません。
押し込む必要がないタッチセンサー式。ボタン操作が快適

物理ボタンはなく、触れて操作するタッチセンサーが採用されています。
1回タップで音楽の再生・停止、長押しで曲送りや曲戻し、2回タップで音量の上げ下げ、着信中に1回タップで電話に出たり、2回タップで着信拒否などのアクションがとれます。
タッチしたときの感度が高く、レスポンス良く反応してくれます。なかなか反応してくれなくて、何度かタッチしてイライラするってこともありませんのでご安心を。
手汗をかいているときの操作ってプラスチック製のイヤホンだとベタついて嫌なことがあるんですけど、このイヤホンの場合には粉雪塗装(こゆきとそう)のザラッとした質感によって、不快な感じを受けませんでした。その点も良かったですね、わりと手汗かいちゃうって人にも使いやすいんじゃないかと思います。
「音圧の力強さ」「音の余韻」を楽しめる絶妙なバランスが心地よい高音質

音質についてレビューしていきます。
コーデックには、SBC・AAC・aptXに対応しています。iPhoneならAAC、AndroidスマホならaptXでペアリングが可能。7千円台の完全ワイヤレスイヤホンで高音質aptXに対応しているのはなかなかうれしいですね。

聴いてみて初めて思ったのが、ベースやキックが力強くてパワフルだなーってこと。前に押し出すような低音域の音圧が強めのドンシャリって感じ。それでいて、ちょうどよいヌケ感があって気持ち良い低音の押しが気持ちいいですね。
ドラムのキックを聴くと強さが分かりますが、いわゆるドンシャリってよりも、クドさのない低音寄りのドンシャリって言ったほうがイメージ近いかも。故に、長時間視聴でも聴き疲れしにくい感じを覚えます。
全体的な音色としては、音の角が丸くて耳障りの良さを感じます。だからといって楽曲がフワッとしたこともなく、音の輪郭がしっかり立っていて解像度の高さが光ります。
1万円以下の中華系イヤホンにありがちな音がスカスカで軽い感じはまったくしません。
弦を弾く音にハリがあって、水っぽい潤いを感じます。池に石を投げ入れたときに広がる波紋のように、心地よい余韻を感じさせてくれます。
なんというか中高音域にシズル感を覚えますね。ロングトーンのビブラートを綺麗に表現してくれて、歌ものに向いている感じがします。
歌唱力のあるアーティストの楽曲を聴き込みたいなら、僕の感覚では1.5万円~2万円前後の完全ワイヤレスイヤホンじゃないと物足りない印象があるんですよね。
でも、この「AG-TWS08R」が8千円ってことを考えると、ハイエンドイヤホンには及びませんが、ある程度満足できると思いますね。
片方だけで音楽視聴できる片耳再生に対応

右側のイヤホンをケースに戻すと、左側のイヤホンだけで片耳再生に切り替えることができます。
周囲の交通事情に配慮しながらランニングしたいときだったり、自宅でチャイムを聞き逃したくないときだったりに片方の耳を開けておけるのは便利ですよ。
僕の場合は、自宅でリモートワークしているときに、時間指定で宅配をお願いするときに重宝します。その時間帯だけは片耳にして確実に玄関のベルが耳に入るようにすれば、気づかなかったなんてこともありませんからね。
ちなみに、片耳再生に対応しているのは、ペアリング親機である左耳イヤホンだけのようですね。
クリアなハンクフリー通話。パソコンでのビデオ会議にも活躍する

内蔵されたマイクによってハンズフリー通話に対応しています。
電話回線での通話、Line電話、パソコンでのビデオ会議など試してみましたが、とてもクリアに音声を届けることができますし、通話相手の声も明瞭に聞こえます。
ただ、外で話しているときにたまたま風が強かった日があったんですけど、風切り音をめっちゃ拾うようで通話相手に声が届かないことがありました。
屋内で通話している分にはまったく問題ないんですけど、外で使うときには留意しておいた方が良いでしょうね。
動画レビューはこちら
ライターから一言
ノイキャンや外音取り込み機能など最近主流になりつつある機能こそありませんが、イヤホン本来の音質や装着感などインターフェイスを重視した物作りの完成度が高いモデルだと思いますね。価格も手頃なので、完全ワイヤレスイヤホン入門機・サブ機・テレワーク用・プレゼント用などなど幅広いニーズにマッチする逸品だと言えるでしょう。
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2023.03.09 19:03 更新