
以前レビューした15時間連続再生を実現するぶっ飛んだ高コスパイヤホン「SOUNDPEATS SONIC」のDNAを受け継ぎつつも、音質向上やワイヤレス充電に対応するなどアップグレードを図った完全ワイヤレスイヤホン「SoundPEATS SONIC PRO」を入手しました。
化け物級の連続15時間再生はそのままに、ドライバー構成が豪華すぎるんです。なんと中高音域に強みを持ち、ハイエンドイヤホンに良く採用されるバランスド・アーマチュアを内蔵、しかも2基!
前作のダイナミックドライバー1基体制よりも低音の効きは控えめになっていますが、中音域の表現力が上がっています。低音強めのドンシャリが好きな人は向かないかもしれませんが、より歌ものメインなら断然「SONIC PRO」をおすすめしたいですね。
ノイズキャンセリング機能・外音取り込み機能は付いていませんが、雨や汗に強く運動で使えるIPX5の防水性能、耳に接する部分がナチュラルで長時間装着でも痛くなりにくいフィット感などなど・・使い勝手も非常に良好。
それでいて、6千円台で買えちゃう仰天のコスパ。(※価格改定があり、2022年1月時点では7,678円(税込)となります。)
どんどん進化するなぁ~と感心しつつ、良かった点やイマイチだった点をふまえてしばらく使ってみた感想をレビューしていきます。

[目次]
製品仕様はざっとこんな感じ。
- 製品名:SoundPEATS SONIC PRO
- JAN:6941213648006
- ブランド:SOUNDPEATS(サウンドピーツ)
- イヤホン種別:フルワイヤレスイヤホン(TWS)
- イヤホン形状:カナル型
- イヤホン本体サイズ(約):27.2mm×20.5mm×18.3mm×20.5mm
- 充電ケースサイズ(約):L61mm×W39mm×H35mm
- イヤホン重さ(約):片耳6g
- 充電ケース重さ(約):47g
- 搭載ドライバー:デュアルバランスドアーマチュアドライバー
- イヤホン操作:物理ボタン
- USBポート:USB-C
- バッテリ容量:片耳70mAh、ケース400mAh
- 再生時間:イヤホン単体15時間、ケース併用35時間
- 充電所要時間:イヤホン本体は1時間半、ケースは2時間
- ワイヤレス充電:対応 ※ケースのみ
- Bluetoothバージョン:Bluetooth 5.2
- 最大ワイヤレス通信距離:10メートル
- Bluetoothプロファイル:HSP、HFP、A2DP、AVRCP
- 内蔵チップセット:Qualcomm QCC3040
- オーディオコーデック:SBC、AAC、AptX Adaptive
- TrueWireless Mirroring:対応
- アクティブノイズキャンセリング機能:なし
- 外音取り込み機能:なし
- 防水防塵等級:IPX5
- ゲーム低遅延モード:対応
- 同梱物:「SoundPEATS SONIC PRO」本体、充電ケース、イヤーピース3サイズ、USB-Cケーブル、説明書
驚愕の15時間再生はそのままに、新たにワイヤレス充電に対応!

外観をチェックしていきます。
ブラックとゴールドの2色使いでエレガントな出で立ちをしています。ちょぴり光沢感のある艶っぽい碁石みたいな感じです。


個人的にはマットな感じが指紋が付きにくくて使いやすいのになぁ~って思いますしたが、砂っぽい細かいデザインが施されているせいか、光沢感がありながらも指紋がほぼ目立だない感じです。

左が今回レビューする「SONIC PRO」で、右が前作「SONIC」です。
ケースもイヤホンも、前作のSONICと比較してカラーが違うだけで、ほとんど同じような形をしていますね。

イヤホンの防水性能はIPX5ほど。汗や雨程度なら内部へ浸水することなく安心して使えます。


再生時間は、前作の驚愕15時間から変更なく、イヤホン単体で最大15時間。ケースを併用した場合の合計再生時間は最大35時間となっています。

連続15時間ってまっじですごいですよね。ケース込みではなく、あくまでもイヤホンのみでの連続再生時間ですよ。この小さな筐体のどこにそんな性能があるんでしょうか。電力効率の良いチップや回路がすごいんでしょうね。
だれが15時間も連続してイヤホン付けるんだ?って思われるかもしれません。しかしですね、僕の場合、一日中家にこもって仕事をしている日って結構あるんですよ。

そんなときにパソコンで原稿を書いているときに付けて、ビデオ会議の打ち合わせで使って、また作業にもどって使って・・ってなると気付いたら夜なんてこと日常茶飯事なんです。ってなったときに朝10時から18時まで8時間ぶっ通しで使える完全ワイヤレスイヤホンってなかなかないんですね。
多くのイヤホンは日中に最低1回はケースに戻して電池を補充します。それが普通なんですけど、「SoundPEATS SONIC PRO」なら充電タイムを挟まずぶっ通しで使えます。これが、めちゃくちゃ快適。自宅で永遠コツコツ作業する系のお仕事をされている方には向いていると思いますね。

そして、前作では対応していなかったワイヤレス充電が使えるようになっています。僕のようにiPhone充電に使っているワイヤレス充電器を持っていれば、ケーブルを用意する必要がないので便利ですよ。

もちろん有線でも充電できますので付属のUSB-Cケーブルを使えば、ワイヤレス充電より早くチャージすることが可能です。急いで出なきゃいけないときにケースの充電がないときなんかには、いち早く充電できる有線接続がおすすめです。
電車内でも走っても途切れなかったBluetooth接続の安定性

Bluetoothのペアリングには、最新規格のBluetooth 5.2に対応しています。最新規格だけあり、混み合う電車内で使ったり、街中でのランニングに使用してみましたがまったく問題なし。
電波が混線する場所においても音が飛んだりブツブツ途切れちゃうなんてことはありませんでした。
自宅利用の際は、仕事部屋からリビングに移動して壁一枚隔てていても途切れはなし。なかなか強い電波だと思います。

さらに、一度接続したスマホやパソコンを自動で記録してくれるオートペアリングにも対応しています。
デバイス側のBluetoothがONになっていれば、充電ケースからイヤホンを取り出すだけでBluetoothペアリングが完了します。接続に手間取らず、スマートにイヤホンが使えますね。
長く付けても耳が疲れにくいフィット感。密閉感があり遮音性高め。

片耳約6gのイヤホン筐体は、ハウジングからカナル型をした先端のイヤピまでのステムが長めにとられたボディをしています。

なだらかな曲線を描くようなボディラインをしていて、密着度がかなり高めだと思いますね。そのおかげで付けただけで周囲の環境音をカットしてくれます。

家の中で使う分には十分音楽に集中できて没入感を感じます。ただ、地下鉄車内でも使ってみましたが、ゴーっという凄まじい走行音には負けてしまいます。さすがに、ノイキャンが欲しいなぁ~って感じてしまいました。

装着感に関しては、前作同様に僕の耳へばっちりフィットしてくれます。数時間連続して装着しても耳が疲れたり痛くなることはありませんでした。4~5時間連続して付けても平気だったので、出張などで長距離移動で使いたい場合にも向いているかもしれませんね。
ちょっぴり硬めだが、運動中には便利な物理ボタン

イヤホンには前作同様に物理ボタンが採用されています。ちょうど「S」というロゴがボタンになっています。
ランニングで走っているときに使うにはメリットがあります。動きながら操作する関係上、タッチパネルよりも的確にボタンを押せるので誤操作を防げます。
逆に、パソコンでの作業中にはボタンを押し込む分、耳へ圧迫されるので不快感を覚えますね。ボタンが少し硬めなので、グイッと押す感じになります。
ランニングのアドレナリンが出ているときには気になりませんが、静かな自宅ではボタン操作するたびにストレスを感じる人もいるかもしれませんね。

操作方法を簡単に紹介しておきます。
音楽の再生と停止は左右どちらかのイヤホンを1回押し。曲送りは右イヤホンを1.5秒長押し。曲戻しは、左イヤホンを1.5秒長押しします。
音量調整もイヤホン側で操作できて、音量アップは右イヤホンを2回連続押し、音量ダウンは左イヤホンを2回連続押しします。
電話が掛かってきた場合に応答するには、左右どちらかを1回押し、通話終了も左右どちらかを1回押します。電車に乗ってたりして電話に出られないときには、着信中に左右どちらかのイヤホンを1.5秒長押しすれば応答拒否が可能です。
さらに、iPhoneのSiriなど音声アシスタントを呼び出すには右イヤホンを3回連続押し、スマホゲームなどで遊ぶ際に『低遅延モード』を起動するには左イヤホンを3回連続押しすると「Game mood」とアナウンスが流れてONになります。
女性ボーカルが前にでる中音の綺麗な高音質


冒頭にもお伝えしましたが、なんといっても目玉は、デュアルバランスドアーマチュアドライバーといって、2基のBAドライバーを積んだイヤホンになっていること。
で、音質はというと・・
女性ボーカルの歌声が良く前に出ている明瞭な中音域が美しいです。6千円台とは思えない高音質でした。

明瞭さのある中音が一直線に鼓膜に突き刺さるイメージで、気持ちよい爽快感を感じつつも、音の角が丸くとられた当たりの優しさを覚えます。
いわゆる中音域のボーカルが前に出てくるカマボコ系の音質、つまりドンシャリの逆です。ドンシャリなら低音と高音が前に出てきますが、「SoundPEATS SONIC PRO」はカマボコなので低音と高音が抑えられその間の周波数帯である中音域が目立つイメージです。おそらくバランスド・アーマチュアドライバーの2基がそれぞれ別の振動をしていて、マイルドに調整しているんじゃないかと想像できます。
中音にひっぱられるように高音域もそれなりに効いています。ピアノを弾く一粒一粒の音がクリアで丁寧ですね。その一方で音場の広さに乏しく立体感が低めです。
聴こえ方に個人差があるかもですが、全体的な音色はおしとやかで上品な印象に聴こえますが、人によってはのっぺりしたように感じるかも。
低音は良く言えばボーカルを邪魔せず大人しく留めていて中音を引き立たせてくれる感じ。悪く言えば、バスが軽くて聴き応えのない感じ。
スネアはなかなかパリッとしていてクリアですが、キックとシンバルに浮足立った軽さのあるイメージでしたね。故に、楽曲ならEDMよりも明るいポップスが向いていて、歌声ならば男性ボーカルより女性ボーカルに向いている印象を受けました。

まとめるとドンシャリが好きな人はAnkerやタオトロニクスに比べて物足りなさを覚えると思うので不向きな音質ですが、女性ボーカルの歌モノでポップスを良く聴くって人なら相性が良いと感じました。

ちょっと気になったのが音楽を停止しているときにホワイトノイズが少し乗っていること。再生すれば気にならなくなるんですけど、それでもよーく聴くとバックグラウンドで聴こえていますね。
僕は年から年中イヤホンをレビューしまくっているので、神経質になっているのかもしれません。そこまで神経はりつめて音楽聴く人はそうそういないとは思うので、普通の人なら気付かないか、聴こえても気にならないレベルだと思います。
ゲームや動画視聴での遅延はかなり軽減されている

スマホアプリゲームをしたり、映画やドラマなどの動画視聴をする際に気になる音と映像の遅れ、いわゆる遅延(レイテンシー)についてチェックしてみました。
チップにはQualcomm QCC3040が内蔵されているからか、使ってみた結果としては遅延がかなり軽減されています。

まず僕が良く見るYouTube動画については、ほぼ遅延が気になることはありませんでした。また、iPhone内のアマゾンプライムビデオアプリから映画を見ても、演者の口元の動きと音声がほぼほぼ違和感なく楽しめました。
Bluetoothイヤホンなので遅延がまったくないということはありませんが、結構抑えられている印象を受けました。ストレスなく快適にコンテンツを楽しめるでしょう。

続いて、スマホゲームです。
左のイヤホンを3回連続押して、『ゲーム低遅延モード』を起動することが可能。それを起動した上で音ゲーをやってみましたが、確かに遅延がほぼ感じない程度です。
前作の「SONIC」にも『ゲーム低遅延モード』機能があったので使ってみたときにはそこまで遅延が縮まっている印象を受けなかったんですけど、新作「SONIC PRO」では起動前と起動後での遅延幅が縮まっていることがハッキリ分かるようになりました。
音楽に合わせてタップしたときの感覚がベストタイミングでハマります。これなら音ゲーが楽しめるレベルなんじゃないかなって音ゲービギナーながら感じましたね。
ただし、『ゲーム低遅延モード』をONにしているときには音の輪郭が多少ボヤけてしまい、音質が落ちてしまいます。致し方ないのかもしれませんが、それだけは留意しておきましょう。
電話やオンライン会議での通話品質はどう?

iPhoneの電話やLine電話で試した感じ、聞きとりにくいこともないし、僕の声も通話している相手へ問題なく届いている印象でした。
ただ、ガヤガヤしている繁華街や車の往来が激しい道路沿いなどの屋外になると僕の声に雑音が混じってしまうようで、何度か聞き返される場面がありましたね。

自宅でのオンライン会議でイヤホンを利用する人が気になる通話品質については、可もなく不可もなし・・といったところですね。
めちゃくちゃ音声がクリアという訳ではありませんが、静かな自宅でのビデオ会議には問題なく使える通話品質をもっていました。

動画レビューはこちら
ライターから一言
化け物級の15時間連続の再生時間、ボーカルが際立つ中音域など6千円台で手に入る完全ワイヤレスイヤホンとしてはめちゃくちゃコスパ良かったです。女性ボーカルをくっきり気持ちよく聴きたい人に使ってほしいですね。
今回紹介した商品はこちら
2023.03.09 16:40 更新