
1万円で手に入るMPOW(エムパウ)の高性能ノイキャン機能付きイヤホン「MPOW M7 ANC」を試してみました。
ところでみなさんは『MPOW(エムパウ)』ってご存知ですか?
アメリカのAmazonにおいて、Bluetoothイヤホンのトップセールスを誇るオーディオブランドなんです。早い話、一番売れてるイヤホンってことですね。
そんなすごいオーディオブランドから発売されたノイキャンイヤホンな訳ですが、ただ市場に出てきただけでなく、この「MPOW M7 ANC」は、音質を日本人の趣向に合わせてチューニングされた日本人のためのノイキャンイヤホンなのです。
グローバルでめちゃくちゃ売れてるイヤホンを手掛けるブランドが、日本人のために本気で仕上げた逸品。そう聞くだけでも気になっちゃいますよね。
ってことで舐め回すようにじっくりレビューしてみましたので、その実力をとくとご覧下さい。
ではいきましょー!
[目次]
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製品仕様はざっとこんな感じ。
- 製品名:MPOW M7 ANC
- 型番:MPBH521ABJP
- JANコード:4573502850153
- メーカー:MPOW(エムパウ)
- 販売元:株式会社MPOW JAPAN(東京都中央区)
- 種別:完全ワイヤレスイヤホン
- 重量(約):5g(片耳)、36.1g(ケース)
- 左右独立伝送方式:TrueWireless Mirroring
- チップセット:Qualcomm QCC3040
- Bluetooth規格:バージョン5.2
- コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
- プロファイル:AVRCP、HFP、HSP、A2DP
- ドライバー:6mm口径ダイナミック型ドライバー
- 周波数帯域:20Hz - 20KHz
- イヤホン単体連続再生時間(最大):6時間(ノイキャンON)、8時間(ノイキャンOFF)
- ケース併用再生時間(最大):24時間(ノイキャンON)、32時間(ノイキャンOFF)
- USB端子:USB-Cポート
- 充電時間(約):イヤホン単体2時間、ケース2時間
- アクティブノイズキャンセリング:フィードフォワード(FF)式ノイズキャンセリング
- 通話用ノイズキャンセリング:cVc8.0ダブルマイクノイズキャンセリング
- 外音取り込み機能(アンビエントモード):対応
- 防水性能:イヤホン筐体のみ防滴仕様
- 同梱物:「MPOW M7 ANC」本体、充電ケース、イヤーピース(XS・S・M・Lの4サイズ)、USB-Cケーブル、取扱説明書、保証書
携帯しやすいコンパクトケース

充電ケースは上のフタが光沢、下の収納部がマットなテイストです。

イヤホン筐体の方もハウジング部分に光沢感があり、イヤーピース先端にかけてつや消しのマットデザインになっています。
ほとんどの充電ケースやイヤホン筐体ではデザインのテイストを統一していますが、この「MPOW M7 ANC」は上下で異なる表面加工をしているのが凝っていて珍しいですね。


ケースは指でつまめるくらいで、手のひらで覆い隠せるコンパクトサイズ。ちょっぴり厚さが気になるくらいかな。まぁ、それでもポッケに入れて持ち歩くには十分小型だと言えるでしょう。

メーカー公称によるとイヤホンは防滴仕様になっていて、水滴くらいなら問題なく使用できます。ただし防水ではないので、お風呂で使ったり、水ポチャさせたり、雨が強い日には使用を避けましょう。

同梱物には、イヤホン本体・充電ケース・ケース充電用のUSB-Cケーブル、イヤーピース、説明書が入っていました。
途切れないBluetooth接続。さらに、ノイキャン起動で最大6時間の連続再生を実現

接続はBluetooth規格のバージョン5.2に対応しています。
僕は、普段リモートワークですが、たまにオフィスに出社することがあります。そのときに朝の通勤ラッシュの電車内だったり駅構内で使っていても音が途切れることがほぼなかったです。電波が混線している環境においても安定感のあるBluetooth接続を体感できましたね。

一度スマホと接続してしまえば、2回目以降の接続にはケースからイヤホンを取り出すだけで勝手にペアリングします。いちいちBluetooth接続画面を出して・・なんて手間が省けて日常使いには便利です。

ノイキャンをOFFにした場合にイヤホン単体での再生時間は最大で連続8時間、ケースを併用することで最大32時間バッテリーが持ちます。そして、ノイキャンをONにした場合ではイヤホン単体で最大6時間、ケース併用で最大24時間も持ちます。
通勤通学用途はもちろんですが、作業中にノイキャンイヤホンを使いたい場合にはイヤホン単体での連続使用時間を重視したいところです。僕は基本、仕事中にずっとパソコンをいじってて、気づくと3、4時間経ってる・・なんてザラですからね。だからこそ、イヤホンのみでの再生時間が気になるんです。
特に、ノイズキャンセリング機能を使っていると電池消耗が結構早いんですよね。その点、「MPOW M7 ANC」はイヤホン単体で最大6時間の連続使用ができるってのはポイント高いですよ。

ケース前面に4つのLEDインジケータが付いているので、点灯しているライトの数で電池残量を把握できます。

ケースの充電には搭載されたUSB-Cポートから。付属のケーブルを使っても良し、パソコン等の他ガジェットを充電するためにUSB-Cケーブルがすでにデスクにある場合にはそちらを使えます。
タッチ感度の良いタッチパネルで快適なイヤホン操作ができる

イヤホンの操作にはタッチ感度が良いタッチパネル式になっています。

操作方法としては、音楽の再生停止は左右どちらかのイヤホンをダブルタップ。曲送りは右イヤホンをトリプルタップ、曲戻しは左イヤホンをトリプルタップ。音量を上げたいときには右イヤホンをシングルタップ、音量を下げたいときには左イヤホンをシングルタップします。
着信時に電話応答するには左右どちらかのイヤホンをダブルタップ、通話を切るには左右どちらかのイヤホンを通話中にダブルタップ。電車やバスに乗っているときにかかってきた電話を応答拒否したい場合には左右どちらかのイヤホンを2秒長押しします。
また、音声アシスタントの起動、例えばiPhoneのSiriを呼び出す際には右イヤホンを2秒長押しです。

ノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能については、まず左のイヤホンを2秒長押しで外音取り込み機能(アンビエントモード)がONになり、さらに左イヤホンを2秒長押しするとノイキャンがON、そしてさらに左イヤホンを2秒長押ししてノイキャンOFFとなります。
つまり、2秒長押しを繰り返すことで『外音取り込み機能ON』→『ノイズキャンセリング機能ON』→『ノイズキャンセリング機能OFF』という順に変化していきます。
スッと耳穴へ収まり、ぴったりフィットする極上の装着感

ひょうたんみたいな流線型を取り入れたイヤホンの形。そして傘の浅いカナル型のイヤーピースを採用しています。


ハウジングから先端のイヤーピースまでが長くて、耳道(耳穴)へスッと入っていきます。

かといって耳に突き刺さる感じはなく、傘が浅いため耳穴奥へ突っ込まれてる感を緩和してくれて快適です。

ひょうたん部分の面積が大きく、耳穴手前がガバっと覆われるような感覚を覚えます。とても当たりがソフトでぴったりフィットしてくれます。めちゃくちゃ装着感が良いですよ。
耳に触れる面積が小さいイヤホンの場合、どうしても一箇所にかかる負担が大きくなって耳が痛くなってきたりします。
しかし、「MPOW M7 ANC」は持ち前のひょうたん形状によって優しいタッチで耳へ収まってくれます。4時間ほど作業中につけっぱなしにして使ってみましたが、疲れたり痛くなることはなかったですね。

イヤーピースは本体にあらかじめ付いているものを含めて全部で4サイズ付いています。

遮音性は高めで、イヤホンを付けるだけである程度の環境音を抑えられます。ただし、カナル型イヤホンの密閉感や圧迫感がそもそも苦手って人には不向きだと思います。故にそういった人は「MPOW M7 ANC」をスルーして、インナーイヤー型イヤホンを選ぶのが良いでしょう。
周りの音が気にならない。高い消音効果をもたらすノイキャン機能

搭載されたアクティブノイズキャンセリング機能を支えるマイクは、フィードフォワード⽅式といってノイズを取り込むためのマイクが外に一箇所付いた格好です。
実際使ってみてびっくりするほど性能高かったですね。
低音域のロードをしっかり低減させるので、トラックが通るうるさい音もかなり聞こえなくなります。中音域の話し声に関しても高いレベルでカットしてくれるおかげで、カフェでの作業もはかどります。
1万円で手に入るなら、間違いなくコスパがめちゃくちゃ高いノイキャン性能です。
ノイキャン特有の耳がギュッと詰まったような圧迫感を感じることはなく、スッキリ周りの音を抑えてくれるイメージ。
ノイキャンが苦手なスタッフに使ってもらったんですけど、これなら使える!って言ってましたね。

環境音をカットするノイキャンだけでなく、逆に周囲の音を耳に取り込む外音取り込み機能(アンビエントモード)にも対応しています。
これまた性能が良くてイヤホンを外さず、普通にコンビニのレジで店員さんと会話できました。わざわざイヤホンを外す手間がなくて便利です。
もっと言うと、取り込み性能が高すぎて、ちょっとした物音まで精度高く拾うのでうるさいくらいですね。笑

音楽再生をしていない時でもノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能を使うことができます。
なので、集中して勉強したいときや本を読みたいときに音楽をストップしてノイキャンのみ使って消音すれば、その場が図書館に変わります。シーンとした静けさが広がり、勉強や読書がはかどりますよ。
マイルドな「低音」と丁寧な「ボーカル」の絶妙なバランス

ドライバーには口径6mmのダイナミックドライバーが採用され、日本人の耳に合うように音質をチューニングしているこだわりよう。
コーデックには、一般的なSBCに加え、iPhoneユーザが使える高音質AAC、そしてAndroidスマホ向けの高音質・低遅延なaptXとaptX Adaptive対応となっています。

音質の結論から言うと、「マイルドな低音とボーカルの聴きやすさがバランス良く両立している高音質」でした。
低音の効きが良くなるカナル型にしては、傘が浅いことも手伝ってか強すぎなくてマイルドです。角が丸く削られたソフトタッチの低音が音色のベースを構成しています。
したがって低音をブーストさせた低音押しまくりのドンシャリ系イヤホンより長時間聴いていても聴き疲れしくいですね。
中音・高音の歌声、ときに女性ボーカルの伸びるような高音域はかすれず丁寧に表現してくれました。
その一方で、低音の迫力には物足りなさを覚える人も一定数いると思います。
最近だとコスパの高い1万円前後のノイキャンイヤホン代表格である、アンカー製「Soundcore Liberty Air 2 Pro」とかタオトロニクス製「PURECORE」と比べると低音の音圧が弱い印象を受けます。積んでいるドライバーの大きさや種類に違いがあるので当然と言えば当然ですけどね。
故に、アンカーやタオトロを使っている人で、聴いていて低音がうるさいな~とか、音圧がキツイな~って人には向いていると思います。
反対に、ノリノリで元気よく音楽を楽しみたいって人ならアンカーやタオトロをおすすめしますね。
最近周りのスタッフや店舗に訪れるお客様からの声を総合すると、低音がガツンと効いていてパワフルな音がいわゆる『音が良い』って判断する傾向にあるようです。
だからこそ、アンカーやタオトロが人気な訳ですが、今回この「MPOW M7 ANC」を使ってみて感じたのが、低音を直線的にズドーンと効かせなくても、厚みのある低音が出せるんだなってこと。

今の流行りである『低音強め系』の音色をなおざりにせず、かと言って強めすぎないような意図を感じました。
そのおかげで、聴覚をマイルド低音で優しく刺激しつつ、ボーカルとの調和をはかったバランスの良さが聴き心地良かったですね。
動画視聴の遅延が少ない。ハンズフリー通話も快適!

僕は仕事がらYouTubeを頻繁に視聴するんですけど、左右独立型のイヤホンで気になるのが音と映像がズレて聴こえる遅延問題です。
遅延に関しても「MPOW M7 ANC」は高いパフォーマンスを発揮してくれました。
実際にiPhoneと接続した状態でYouTubeやAmazonプライムビデオを観てみましたが、ほとんどズレが気になることはありませんでしたね。
まったくズレないかというと、そうではありませんが、動画視聴くらいならストレスなく楽しむことができるでしょう。

ハンズフリー通話における通話品質もなかなか高かったです。最近発売されている完全ワイヤレスイヤホンではお馴染みの、環境音を抑えてイヤホン装着者の音声をクリアに伝える「通話用ノイキャンcVc8.0」に対応しています。
リモートワークでノートパソコンにBluetooth接続してオンライン会議をしていても、何不自由なくしっかり音声コミュニケーションがとれました。仕事利用をしたいビジネスパーソンにも活用できる通話品質をもっていましたね。
動画レビューはこちら
ライターから一言
今回試してみて、特に良かったのが『装着感』『消音性能』『音質』でした。耳に優しくフィットして長時間装着で疲れない『装着感』、屋内屋外問わず幅広い周波数帯の騒音をカットする高い『消音効果』、そしてマイルドな低音で聴き心地の良さが光る『音質』。
1万円でこれだけの性能が手に入るノイキャンイヤホンなら買って損はないと思いますね。
今回紹介した商品はこちら
2023.03.09 17:19 更新